「サッカーボーイズ-再会のグラウンド-」文庫化
- 作者: はらだみずき,丹地陽子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2008/06/22
- メディア: 文庫
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以前書いたこの単行本版の感想。
http://d.hatena.ne.jp/surumeno13/20080214#p1
本屋さんで文庫本判を見かけ、こちらも購入しました。
ご本人自ら「草小説家」と書かれているように、会社勤めの傍ら書き綴られたという遅咲きのデビュー作が、見た限り文芸書をほとんど扱わない少年サッカーに関する各種指導本を主に発行する版元から出版されていること、そして文庫本の帯にある他作品の紹介が角川文庫であるにもかかわらず他社であるカンゼンの続編を詳細に紹介していること*1、各社で担当された編集の方のこの作品に対する意気込みあっての仕事だと感じました。
そして、作者によるあとがき、いまや押しも押されぬ有名作家となったあさのあつこさんによるこの物語に寄せた感想、そのどちらもが、今自分がサッカーやその他スポーツを見ている気持ちといろいろと重なるものがありました。
特にあさのさんがスポーツが得意でない人間として抱いていた憧憬と疎外感がこの物語の登場人物への共感に繋がった、というあたりとか。
出版不況のなか、どちらかというと地味なこの物語がしだいに日のあたる場所へでてきた事が喜ばしいし、何か可能性を感じさせる文庫化でした。
*1:両社が関連会社ではないっぽい中でこういう紹介をするのってすごいような