アメスポとサッカー、再び。

 seanさん、rajendraさんコメントありがとうございます。
 
 クラブを中心として発展したサッカーに代表されるヨーロッパのスポーツとカルテル構造によって発展したアメリカの4大スポーツ、このあたりにまつわる話って、日ごろはローカルかつニッチすぎる話題を追っているので大海を見たー!といった感じでついつい深みにはまってしまいました。
 
 かなりのったり書いていたのでseanさんの方で引き続きのエントリーが先にあがっています。でコメントもまたさっそくついてたり。
 http://d.hatena.ne.jp/sean97/20080621/p1
 で、こちらも重なるような重ならないような感じなのでほぼそのままUPしますです。
 しかしとりとめもなく長い…


サッカーで燃える国 野球で儲ける国―スポーツ文化の経済史

サッカーで燃える国 野球で儲ける国―スポーツ文化の経済史

 まだ実物は手にとっていませんが、こちらの本の内容のまとめが今回非常に参考になりました。
[ 『サッカーで燃える国 野球で儲ける国』 その1] by みどりのろうごくblog
http://atlanta.blog24.fc2.com/blog-entry-928.html

 書名は釣りっぽいですが、両者のリーグの特色をプロリーグが作られていった歴史と考え方の対比させることで明らかにしていきます。
 締めでブログ主さまがそのどちらともちがう日本のJリーグの現状に照らし合わせて考察されています。これまでのseanさんとのやり取りのなかで「こういうことかな?」と頭の中でもやもやしていたものがかなり整理できました。

 あと、以前の話の時に読んだこちらでアメスポとサッカーのその国や地域での役割が理解できました。

 アメスポ的なリーグの仕組みは紆余曲折を経てアメリカにおいてスポーツ文化の一環として認められ、世界的にも稀有な成功が生まれましたが、MLSは4大スポーツと同様なリーグ運営をしつつ、他国のリーグやチームと競合している点が決定的に違っていて、その独特さがなんとも興味深いのです。
 戦力を均衡させる事でリーグ戦の魅力を高めるという方法は、国内リーグでは有効かもしれません。
 一方で他国のクラブチームとの公式戦においては属している国のリーグの平均的な戦力として出場するという点で不利に働きます。
 また、世界最高かつほぼ唯一のリーグとして提示された待遇であれば選手側も受け入れざるを得ない面があるけど、サッカーでは他国に目を向ければ良待遇・高レベルのチームがいくらでもあるので意に沿わない選手は流失してしまうでしょう。
 ただ、以前の破綻を考えると非常に堅実な身の丈路線でもあります。
 で、かくいうわが国のJリーグもアメスポまではないにしろ、年俸の制限や収入配分の仕組みがあります。それでも資本金の差は歴然としてありますが、日程調整の妙もありまして(通称日程君と呼ばれるすばらしいソフトによって作られるらしいです)最後まで優勝争い、昇格争いなどがもつれる事が多く、毎年ドラマが生まれています。
 ちなみにKリーグにおいてはドラフト制度が賛否両論ありつつ、現在は実施されているようです。
 取り入れ方に差はありますが、後発のサッカーリーグはアメスポ的な保護の仕組みも取り入れる事で国内におけるリーグの安定化を図っているようです。

  
 アメスポはチーム間においては公平さを保つ事でリーグ自体の力を生み出していったようですが、一方でフランチャイズとなっている各地域はチームが地元にあることを享受するためにチームに対して他地域より良い条件であり続けなければならない、ということで、地域同士には競争が生まれ、チームは結果としてよりよい条件で活動をすることができるそうで、うーん、つくづくうまくできている仕組みだ。

 
 USLの立ち位置も国は違えど下部リーグを見ているものとして気になりましたです。
 独立リーグや、MLSの下部リーグなどいろいろな記述が見られるのですが、FIFAでは一国一リーグの体系でしかプロリーグを認めていないはずなのでまるっきり独立ではなく何らかの位置づけはされているのだと思われるのです。
 が、これのソースを探せるほどの英語力も無く・・・
 USLでの活動実績がMLS加盟への何らかの条件になるのであれば日本のJFLっぽい感じかな。プロ一部二部と年代制限のあるアマの地域リーグ、女子リーグなどを主催しててトップリーグであるMLSより層自体は厚い感じ。一部二部で入れ替え戦があるのかどうかも気になります。
 現在はVファーレン長崎に在籍する太田恵介選手がUSLのチーム在籍時にブログにいろいろと書いています。
http://keisukeota.exblog.jp/
 こちらを読む限り、運営や選手のサッカーへの意識という点でかなりバラツキがあるみたいで契約的にもあまりいい条件ではないようです。ファンのおばちゃんや世界中から来ているチームメイトとの交流の様子が良くて最後はちょっとしんみりしました。
 にしても、明確なトップリーグとの昇格・降格の関係がない中、鈴木選手が移籍したチームといい、このチームといい、このあたりのカテゴリーのファンのモチベーションはどの辺にあるのか、ほのぼのとしたエピソードに癒されつつ考えさせられるものがあります。


 それにしても自分はつくづくサッカー脳になってしまっていたなー、と。
 今まで散々seanさんが説明してくれてたり、本を読んだりサイトを見たりしてアメスポの仕組みを知識としては仕入れていたのだけど今ひとつピンと来ていなかったのが、MLSというサッカーリーグがその仕組みにそっているというだけでどんどん「ああそうかー」と自分なりに理解できちゃうあたりが、なんともなぁ。