地域リーグのすがた。内側から見ると。
UGさんとこで紹介されていたコレ。
全世界5400ものクラブ情報が衛星から見れるGoogleEarth追加レイヤー
http://soccerunderground.com/blog/archives/000945.html
このレイヤーを表示したままで、ヨーロッパを見て廻ると、 日本とのフットボールクラブの数、スタジアムの数の圧倒的な格差を感じてしまい 絶望的な気分にもさせられるんですよね…
うーん・・・
ここに載っていないだけで、ヨーロッパ並みとは行かないまでもJFL以下、地域1部から都道府県リーグあたりまで含めるとそれなりの密度になると思われます。
だから、みんな絶望するのはまだ早いよ!
以前導入したときに、「われらのホーム・鳥見山に日の丸ついてない・・・」としょんぼりした覚えがあるなぁ。場所は確認できるけどね。Jヴィレッジはかなり鮮明に見えます。
で、そんな日本の4部である地域リーグに最近微妙に風が吹いているようないないような感じです。
- 作者: 宇都宮徹壱
- 出版社/メーカー: 東邦出版
- 発売日: 2008/04
- メディア: 単行本
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地域リーグ自体というより、どちらかというと地域からJを目指すことがテーマになっていて、Jリーグを中心に観戦している方にとってはかなり新鮮さを感じる内容かと思います。
FCプリメーロ好きとしては、東北リーグで対戦したグルージャ盛岡とTDK SC(地域決勝の項)、天皇杯で対戦したツエーゲン金沢(金沢SC時代)が取り上げられている部分が気になるところ。
金沢のところではチーム名がでてる!わーい!この時のことですね。
[pof]天皇杯1回戦 FCプリメーロ2-1金沢SC(Jヴィレッジスタジアム)
http://d.hatena.ne.jp/surumeno13/20050917#p1
しばし回想。いやー、これはなかなかの試合だったよ。
東北で長年にわたり頭一つ飛びぬけた強さを誇っていたTDKがJを目指すクラブを差し置いて優勝した第30回地域決勝は、試合が混乱した点と企業アマチュアだったという事もあり、この本では少々微妙な扱いですが、長年同じリーグで戦ってきた身として当時「とうとうやったか」という感慨を抱いたものです。
TDKは他のいくつかの地域決勝の参加チーム同様、「上がれない」のではなく「上がらない」のだ、とされてきました。
その真偽を知る由はありませんが、地域決勝ではそれまでも特例で出場したザスバ草津に一勝するなどそれなりの戦いをしてきたのに、一次リーグを長年突破できないのは実力を発揮しきれない何か枷のようなものがあるのではないか?
それともTDKを毎年代表として送り込んでいる東北のレベルがそれまでということなのか?
毎年地域決勝の結果を知るたびにそんなことを考えていました。
この年、TDKが優勝したのはサッカーの神さまの気まぐれだったのでしょうか。今回、この本を読んで改めて当時の状況を考えてみました。
国体を翌年に控え、チームとしてまとまりのある所へ効果的な元J選手の補強がされました。
それまでの地域決勝での経験に加え、Jへの挑戦権を得るためではなく、一挑戦者という立場で参戦する事はメンタル面で他チームと異なるものがあったでしょう。
また、東北1部へJ志向のグルージャが昇格したことよってそれまでほぼ一強だった状態が変わり、優勝へのハードルがあがりました。これまでにないほどの規模で相手側のサポーターがいることでチームを見守る側にとっても少なからず意識の変化が起こったのではないでしょうか。
どれも今だから言えることなのかもしれませんが、TDKが優勝したのはこのようないくつかの条件によってそれまであった見えない枷が外れたからなのではないか、と思っています。
そして、TDK SCを秋田、そしてにかほの誇りとして応援する人たちがJFLという舞台でチームと共に(こんな言い方は見送った立場として少し失礼かもしれませんが)磨かれ、揉まれ、成長していく姿を見て、Jを目指す、目指さないに関わらず昇格することの意義の大きさを感じています。
で、この本のトップで登場するグルージャさん。
J+掲載時も思ったけど「東北、イメージ悪すぎ」(笑)
福島FCの解散とか、頭固くて商売できないとか、付記にある経営の混乱とか*1、Jを目指すチームを差し置いてJFLに昇格したTDK SCとか、この本で言う所の「Jリーグ「百年構想」の「光と影」」の「影」にかかわる部分が東北に集中しているのはグルージャの項の出だし部分に重ね合わせると興味深いものがあります。
「みちのく」−かつての東北地方は、奈良時代までは朝廷の権力が及ばぬ 先住民族の地であり、土着的なのと霊的なのが潜む「異界」でもあった。
「白河以北一山百文」という言葉があります。
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http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%F2%B2%CF%B0%CA%CB%CC%B0%EC%BB%B3%C9%B4%CA%B8
あおきのベースケース"白河以北一山百文"
http://www.kageboushi.jp/04_gaaki/aoki/a_11.htm
東北が歴史の中でで繰り返し辿ってきた道は平成の今、J以下のサッカー界の歩みと奇妙な一致を感じさせ、ちょっと愉快なぐらいです。
戊辰戦争から百数十年たった今、「Jリーグ百年構想」のもとでこの先百年、東北の地域の各チーム、そして福島が白河以南とどう対峙していくか、そんな視点でサッカーの行く末を見るのも面白いんじゃないかな、と思ってます。
*1:あの時の混乱は、このチームの成り立ち自体に関わるもので、関係者やサポーターの皆さんの心痛は相当なものだったと思う。